顔の中が鼻水だらけだ、お前はいったい次から次からどこから溢れて来るんだい?この鼻水〜!
そしたら、娘が学校で美術室の石膏像を処分するというので、この大きな「聖ジョルジョ」を手で抱えて持って帰って来た。結構重いこのジョルジョを抱えて歩いて電車に乗って、ぜえぜえ言いながら持って帰って来た…「ジョルジョ、ジョルジョ」と独り言をいいながら汚れた彼をキレイに磨いていた。でも、こうやって見ると迫力あるな〜凛としちゃうな〜「ボンジョルノ〜!聖ジョルジョ!ココロより貴方を迎え入れます〜!どうぞ、二人を見守ってくださいな〜!」
そういえば、デザイン学校の頃デッサンの授業で来る日も来る日も色んな石膏像と睨めっこしながら木炭握りデッサンしてたな〜先生がちょっとヤバい人(T氏)で、いつも酒臭く腰にはジャックナイフとタオルぶら下げヨタヨタみんなの作品眺めながら教室を歩く…そして僕の後ろに立つ「来た〜〜」と僕、「阪本どけっ」と低い声でT氏、腰のタオルでパンパン〜!と消しながら「やり直し〜!」…僕はデッサンが大嫌いだった、デッサンを理解していなかった、デッサンの持つ意味やその後色んなコトに役立つコトを解っていなかった、ちょっと後悔。
ヤバいT氏だったが男としてとても興味のある人だった。数年前東京で個展をやると聞きおそるおそる友人と観に行った。感動した、相変わらず木炭や鉛筆にこだわってらした。小さな港町の風景をソフトなタッチでシンプルに表現していた。モノトーンな世界なのに色まで見えて来るT氏のドローイング、素晴らしかった。十何年振りかのあのヨタヨタ先生も穏やかな顔をしていたし、なんとあの学校の学長をしていると聞いた。参った!「聖ジョルジョ」を眺めながらそんなコト思い出していた…ふふ。